古来より伝わる九星気学の基礎と占い方

どこを基準にして方位を取れば良いのか?

吉方旅行に出かけるに当たって最も大事なのは、
言うまでもなく「どの方角に出かけるか?」ということです。
旅行の日程が決まったら、
年盤、月盤、日盤を参考にして自分の吉方位をチェックしましょう!

 

さて、そこで一つ疑問が生じるはずです。
「あれ?この吉方位って、どこを基準にしているの?」
答えは、自分。
どこか基準とすべき特定のスポットがあるわけではなく、
ご自身が住んでいる家を基準に考えれば良いのです。

 

例えば、東京から見れば札幌は北で、
逆に札幌から見れば東京は南です。
まずは自宅を基準に「八方位」を考えた場合、
どの都市がどの方位に当たるのかを把握しておきましょう。

 

八方位のエリア範囲は、東西南北が各30度、
東北、南東、南西、北西は各60度です。

 

その上で注意すべきは、「真北」の捉え方です。
普通は方位磁石でN極が差す方向を「真北(まきた)」と考えますが
(これを「磁北」と言います)、
これは九星気学でいうところの「真北(しんぽく)」とは少し誤差があります。

 

九星気学の真北とは、北極点と南極点を結んだ子午線上にあり、
それは磁北と5〜7度ズレているのです。

 

具体的には、関東地方であれば6〜7度、
関西では5度ほど東にズレた場所が本当の「真北」ということになります。
方位を取る場合は、必ず正しい真北が記されている地図を使いましょう。

 

ちなみに、原則として、帰路の方位は気にしなくてOKということになっています。
例えば、吉方位である「北」に出かけた場合、
復路は見かけ上「南に移動する」ことになりますが、
これは元に位置に戻るための移動なので方位は見なくても良いのです。

正しい気学地図の作り方

吉方旅行に出かけることを決めたら、
まずは真北が記されている地図を用意します。

 

地図上で自宅がある地点を通るように南北の線を引き、さらに、
自宅の上で交差するように東西の線を引きます。
すると、十文字ができますよね?
これを「正中線」と呼んでいます。

 

次に、下の図のように、
正中線の北、南からそれぞれ左右30度ずつ線を引きます。

 

 

九星気学では、この30度の範囲内にある場所を
それぞれ「北」「南」「東」「西」と捉えます。
つまり、ピンポイントで「この場所でなければダメ!」というほど
キビシイ制限があるわけではないということです。

 

東、西も同様に線を引くと、東西南北の間に60度ずつの間隔ができますよね。
これが、北東、南東、南西、北西です。

「真北」がズレている理由

それにしても、なぜ、磁北と九星気学の「真北」には誤差が生じるのでしょうか。
その理由は単純明快で、
古代の人々が「地球は丸い」ということを知らなかったからです。
世界は地図の通りに平らだと信じていたので
あくまでも北極星が位置する場所が「北だ」と考えられていたのです。

 

しかし実際にはこの地球は球体なわけですよね。
地球の自転軸を北極方向に延長して天球と交わったところを
「天の北極」と呼びますが、北極星はここからわずかにズレています。

 

つまり、「北極星は真北に出ている」と思われていますが
実際には正確に真北にあるわけではない、ということですね。

 

九星気学を含め、五行、十干十二支、風水・・・
中国哲学や占いのベースは北極星の位置をベースにしているので、
磁北との間にはズレが生じてしまうのです。

 

ただ、同じ九星気学でも、磁北を「真北」と捉える流派もあります。
どちらか片方が絶対に正しい!と断言することはできませんが、
気学の大元にある五行説の考え方が北極星の位置を基準にしている以上、
吉方を取る場合にもこれをベースに考えるのが
伝統に忠実だと言えるのではないでしょうか。

 

どちらが正しいのか。
ご自身で吉方旅行を繰り返して効果の違いを検証してみるというのも
気学の楽しみ方ではないかと思います。

 

余談ですが、地球の自転軸は26,000年の周期で回転しており、
今現在も少しずつ動いているそうです。

 

それはつまり、「天の北極」の位置が少しずつズレていくということですから、
やがては

 

「北極星は北に出ている」という考え方そのものが間違っている!

 

と指摘される時期がやってくるかもしれませんね・・・。