古来より伝わる九星気学の基礎と占い方

奇門遁甲とは?

吉方位や凶方位について調べていると、
九星気学と並んで「奇門遁甲」というキーワードに遭遇するでしょう。
これはどのようなものなのか?

 

奇門遁甲(きもんとんこう)とは、九星気学と同じように、
方位の吉凶を調べる際に用いられるもの。
中国の宋〜清の時代が発祥という説がある通り、
非常の歴史の古い方位術です。

 

もともとは、戦争などの戦いのために生まれたもので、
一種の兵法だという見方もできます。

 

九星気学と同じように、特定の年・月・日・時の吉方位を割り出し、
その吉方位に旅行したり、引っ越したりすると縁起が良いというもの。
ビジネスや恋愛、試験など、幅広い目的で用いることができます。
や通院、デート、プロポーズなどを行うときにも使用できます。

 

ちなみに、奇門遁甲の「門」というのは、8つの門を表しています。
この八門を東西南北、北東、南東、南西、北西の八方位に割り当て、
八門が巡る方位を目的に応じて利用するという開運術です。

 

具体的には、
開門、休門、生門、傷門、杜門、景門、死門、驚門。
このうち、開門、休門、生門が吉門と言われています。
これを「三吉門」と呼びます。

 

逆に、死門と杜門は大凶。
死門へ向かうことは「死」を意味し、
杜門へ向かうと門が閉まって脱出できなくなるという意味があります。
加えて、傷門と驚門は凶方位となります。

 

さらに、合わせて三奇、九宮、九星、八神を考慮すると、
方位の吉凶を正確に断じることができます。

 

  • 三奇・・・乙、丙、丁
  • 九宮・・・一白、二黒、三碧、四緑、五黄、六白、七赤、八白、九紫
  • 九星・・・天蓬、天だい、天冲、天輔、天禽、天心、天柱、天任、天英
  • 八神・・・直符、とう蛇、太陰、六合、勾陳、朱雀、九地、九天

奇門遁甲の使い方は?

九星気学では、「九星気学の九星図とキーワード」でも紹介した
九星図(九星盤)を使って方位を見ることになりますよね。
同じように、奇門遁甲にも専用の盤があります。

 

最もメジャーなのは、活盤式と呼ばれるもの。
排宮式や転盤式という呼び方もあります。

 

また、九星気学と同じように奇門遁甲にも年盤、月盤、日盤、時盤があり、
目的に応じて使い分けられています。

 

これらを用いて吉方位を導く方法については、
流派や先生ごとに奥義があります。
専門書で勉強されるか、占術家に弟子入りなさることをオススメします。

 

※簡易的に吉方位を知りたい場合は、こちらのサイトが便利です。

 

使い方としては、まずは「局数」を求めることから始まります。
これには、「遁甲暦」という遁甲専門の暦を参照する必要があります。
流派によってバラバラで統一されていませんが、
高根 黒門先生のものが最もわかりやすく、また使っている方が多いようです。

 

『活盤 奇門遁甲精義』という書籍で解説されていますので、
ご興味のある方はぜひお手に取ってみてください。

奇門遁甲と九星気学の使い分けは?

ここで、おそらくみなさんは、こんな疑問を抱くことでしょう。

 

「奇門遁甲と九星気学の吉方位や凶方位は一致するの?」

 

結論から言えば、一致しません(笑)。
となれば、「じゃあ、一体どちらを信じれば良いのか?」と混乱してしまいますよね。
実際、引越しの方位を検討している方が
「九星気学では吉方位だけど、奇門遁甲では凶方位になるんだよね・・・。」
とボヤいているのを聞いたことがあります。

 

これについては、それぞれの手法が生まれた背景や特徴を比較してみると
自ずと「どちらを採用すべきか?」が見えてくるはずです。

 

ざっくりと違いを説明すると、九星気学は個人の幸せや利益を。
奇門遁甲は軍事目的で生み出された方位術です。
(「○月○日のこの時間帯に、この方角に攻め込んだら
勝敗はどうなるか?」ということを見極めるため。
即効性のある方位術と言えます。
それによって幸福が続くというものではないようです。)

 

ですから、一般人が自分の開運のために吉方位を調べたい場合は、
九星気学を参考にするのがスタンダード。
あなたが旅行する方角で、国家の存亡が左右されるわけではありませんよね(笑)?

 

もっとも理想的なのは、
九星気学と奇問遁甲で吉方位が重なった場合なのですが、
そうでない場合は、基本的には九星気学の吉方位を優先させましょう。

 

九星気学や奇問遁甲に限らず、古今東西の占術を利用する場合は、
それぞれどんな特徴があるのか?
主にどんなことを占う場合に使われる占いなのか?
どのくらい際まで見通せるのか?
・・・といったことを知っておく必要があります。

 

天運に頼るばかりではなく、自分自身に実力を付けて、

 

「自力で運命を変えていくんだ!」

 

というポジティブな気持ちを持つことが
幸せになる上で最も大切なこと。そのような意味では、
吉方位を利用して自分でアクションを起こす九星気学や奇問遁甲は、
非常に前向きな占術だと言えるでしょう。